名古屋市交通局3000形電車

車両について

運用事業者 名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)
製造所 日本車両製造
日立製作所笠戸事業所
製造年 1977年(昭和52年)~1984年(昭和59年)
製造数 92両
運用開始 1977年(昭和52年)3月18日
運用終了 2023年(令和5年)3月17日
運用路線(廃車直前時点) 鶴舞線・名鉄三河線(梅坪~豊田市)・名鉄豊田線・名鉄犬山線(上小田井~犬山)
最高速度 100km/h
備考

名古屋市交通局3000形電車

クイックアクセスガイド

車両の概要

車両の性能・仕様

形式

編成

導入年次による変化

車両についての見解


車両の概要

名古屋市交通局3000形電車(なごやしこうつうきょく3000がたでんしゃ)は、名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)が1977年から運用している通勤形電車です。鶴舞線のほか、名古屋鉄道の犬山線・豊田線・三河線へ直通運転をしています。

1977年(昭和52年)の伏見~八事間開業に際し、4両編成9本(36両)、1978年(昭和53年)の八事~赤池間開業に際し、4両編成4本(16両)、1981年(昭和56年)の伏見~浄心間開業に際し、4両編成4本(16両)、1984年(昭和59年)の浄心~庄内緑地公園間開業に際し、4両組成6本(24両)が導入されました。

従来長さ15.5m×幅2.5 m×高さ3.4mが車両の標準寸法となっていた名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)で初めての大型車で、冷房装置とAVF式電機子チョッパ制御と回生ブレーキを導入し、セミステンレス構造と固定窓と2連窓と7人掛け座席が採用され、荷物棚を設置し、つり革が客用ドア付近に増設された車両となっています。

両開きの客用ドアを片側あたり4箇所に配した標準的な20m級通勤形車両(全長19.3m)であり、車体全高および室内高(平天井構造)の寸法も一般的なものとなっており、同じ目的で同時期に製造された名鉄100系よりも高くなっています。全幅も外板間は2740mm、最大幅も当初は2805mmで、地方鉄道車両定規を超えていました(現在は2746 mm)。全長がJRなどの20m車よりも200mm短い関係で、客用ドア間隔も50mm短く、客用ドア間座席の1人当り占有幅は443mmとなっています。これは桜通線6000形、3050形や名鉄100系についても同様となっています。また、運転台の平面窓ガラス構成のパノラミックウインドウや客室窓の天地が小さめで、幕板の広い側面見付けに名鉄の影響が伺えるほか、本形式からは、先頭車両前部上段に名古屋市営地下鉄のシンボルマークが入るようになりました。

名鉄豊田線との相互直通運転のため、自動列車保安装置は鶴舞線内での車内信号式ATCに加え、名鉄線内でのM式ATSも搭載しています。

車内放送には自動放送装置を採用し、名鉄線内でも使用されています。また、名鉄線対応設備として中間車にも車掌スイッチを設置しています。これは名鉄線内において車内を巡回する車掌が任意の車両においてドア扱いを行うために設置されていましたが、同社の駅員無配置駅における出改札自動化(駅集中管理システム)の進展により、運用線区全線において原則的に車内改札を省略するようになったことから、豊田線区間での車内巡回以外では利用されていません。


車両の性能・仕様

主電動機・制御装置・台車

主電動機は分割界磁式直流直巻電動機となっています。また、制御方式は電機子チョッパ制御となっています。

台車は、S形ミンデン式空気ばね台車となっています。

ブレーキ制御は、回生ブレーキ併用の電気指令式となっています。

車内仕様・サービス設備

車内はすべてロングシートとしました。


形式


3000形は以下の4形式から構成されています。

3100形

赤池方の制御電動車(Mc)です。一部の車両は中間電動車(M)となっています。

3200形・3700形

中間電動車(M)です。

3800形

上小田井方の制御電動車(Mc)です。一部の車両は中間電動車(M)となっています。



編成

3000形の編成は6両の1種類が存在しています。

6両

310032003100A
3700
3200
3800A
37003800


導入年次による変化

1978年製造(3000形2次車)

4両編成4本が増備されました。この増備車より乗務員室扉のバス窓枠下部の角形状が曲線から直線に変更され、正面貫通路部の厚みが減少しました。また、車内では車端部妻面に掲出されている禁煙プレートが若干小型化され、角が若干丸くなったものとなりました。さらに、乗務員室の車掌スイッチの位置が運転席背後から乗務員室扉横に変更され、前面方向幕蓋が上開きから下開きとなって覗き窓が拡大し、前面貫通扉のガラスの位置を変更しました。

1981年製造(3000形3次車)

4両編成4本が増備されました。この増備車より客室窓の約半数がHゴム支持による固定窓から金属支持によるバス窓に変更され、屋根がポリエステルコーティングからポリ塩化ビニル製屋根布に変更され、屋根の絶縁体も変更されました。また、床板がキーストーンプレートからステンレス鋼に変更され、標識灯兼尾灯カバーが大型化し、助士側乗務員室扉右側の手すりの長さが短縮されました。さらに、乗務員室扉下部構造が変更され、前面方向幕蓋が大型化されました。

1984年製造(3000形4次車)

4両編成6本が増備されました。この増備車より客用ドアおよび乗務員室前面の窓ガラス押さえがHゴム支持から金属支持に変更され、方向幕の窓ガラス押さえもHゴム支持から金属支持に変更されました。また、客用ドア床面の滑り止めの形状が変更されました。さらに、乗務員室覗き窓の位置が前面方向幕蓋から正面方向幕蓋下部に変更されました。


車両についての見解

現在、準備中。